調べてびっくり 蓮で楽しむお酒 -『略画苑』より-

今回は、このブログではおなじみの鍬形蕙斎の絵手本『略画苑』より

夏らしいあの植物にまつわる不思議な風習についてです。

1コマ目は、蓮の葉でも浮かべたお酒を飲む風習を、蕙斎がユニークに表現したものだと思っていたんですが

本当にこういう飲み方があるんですね…知らなかった…

蓮の茎からお酒(または水)を飲む体験は、以下の記事のほか、様々な方がレビューを書いています。↓

象鼻杯|大食軒酩酊の食文化|刊行物・コレクション|味の素食の文化センター

※2025年7月29日現在

上の記事が伝えているように、江戸時代の幕臣・国学者の屋代弘賢が著した類書『古今要覧稿』(参考文献を参照)には、蓮の茎からお酒を飲むことについてこのような記述がなされています。

又蓮の葉莖をつらね採て葉の正中より莖に孔を明けて酒をつぎて其莖の元より吸ふを藥なりとて人のなす事なり

是は雞跖集に魏の鄭公愨夏三伏の際に賓僚を率て使君林において暑を避るに大ひなる蓮葉を取て酒を盛り簪を以葉を刺て柄と通はしめて莖を屈輪困(マゲ)て象の鼻の如くして是を傳へて各其酒を吸はしむこれを碧筩杯と名つく

東坡が詩に碧盌時作象鼻彎、白酒猶帯荷心苦、といへり

(『古今要覧稿』巻第4 162 草木部 水草「はちす はす 蓮」より一部抜粋)

「是は雞跖集に~」以降は、なにやら難しい言葉が続きますが

ざっくり要約すると、蓮の茎からお酒を飲むという行為は、中国の文献に登場する「碧筩杯(碧筒杯)」という酒の飲み方が出典となったことが書かれています。

文献中に「暑を避る」とありますが、確かに見た目は涼しそう…

調べてみたら、現代でもイベントとしてやっているところはあるみたいなので

来年、蓮見の会が行われる時期になったら、チェックしてみようかしら…

【参考文献】

屋代弘賢 著『古今要覧稿』苐五,国書刊行会,明治39. 国立国会図書館デジタルコレクション

https://dl.ndl.go.jp/pid/1771637

※ウェブページの閲覧日は2025年7月30日


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