擬人化された人の心 江戸時代の黄表紙『心学早染草』

大河ドラマべらぼう、盛り上がってますね!

ドラマでは現在、書肆(本屋・出版者)の道へ徐々に足を踏み入れていく蔦屋重三郎が描かれていますが

今回は、そんな蔦屋重三郎が出版し損ねたという、江戸時代に人気を博した黄表紙(絵入りの小説)について紹介します!

『心学早染草』は、初版は寛政2年(1790)、大和田安兵衛の版によるものでした。↓

https://kokusho.nijl.ac.jp/biblio/100093650

※山東京伝 作 北尾政美 画『心学早染草』刊本、三巻一冊、寛政2年(1790)、東京都立中央図書館蔵、国書データベースより、2025.2.23現在

やがて、本書の版木は大和田安兵衛から別の書肆に回り、蔦屋重三郎の元へやってきたのですが、

版木は大分摩耗していたので、蔦屋は版木の作り直しを作者の山東京伝に依頼しました。

その時の稿本が、なんと東京都立中央図書館に残っています。↓

https://kokusho.nijl.ac.jp/biblio/100053809

※『善玉悪玉 心學早染草寫本』写本、一冊、国書データベースより、2025.2.23現在

この稿本には、京伝の弟の京山による追記が冒頭にありまして、

ここに、マンガで描いたような悪玉提灯の流行が影響して、京伝が蔦屋重三郎版『心学早染草』の出版を許さなかったとする経緯が書かれています。

この京山の追記は、内容が100パーセント真実かどうかは検討を要するところですが

悪玉提灯のくだりは妙にリアルですので、実際にそうだったんじゃないのかなぁと思います。

参考文献

・東京都立図書館 コレクション紹介 特色あるコレクションの紹介 特別コレクション 第7回 加賀文庫・草双紙 5.心学早染草

https://www.library.metro.tokyo.lg.jp/collection/features/digital_showcase/007/05/index.html
※ウェブページの閲覧日は2025年5月11日


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