昔から歌に詠まれてきた名所などをあらわす「歌枕」
「歌」が元となって、特定のモチーフが特定の景色を伝えていく。日本美術がもつ面白さの一つですね
ちなみにイラストは、和歌に読まれる六つの玉川「六玉川」のうち、「井手の玉川」といい、京都の木津川の支流です。
平安•鎌倉時代の歌人、藤原俊成が、「駒とめて猶水かはん山吹の花の露そふゐでの玉川」と詠んでいます。
この歌のイメージが結びついて
山吹、川、駒(馬)が描かれれば、井手の玉川が連想できる訳です。
作り手読み手双方とも、和歌の知識が必要な「歌枕」
現代に生きる私たちが理解するのは少し難しい…
でもよく考えれば、今現在だって、私たちが日々のニュースや娯楽によって生まれた「共通イメージ」があって、それをうまく生かした内容が、SNSで「バズる」訳ですから
(人気のドラマやアニメの登場人物やワンシーンが連想できる内容を投稿するとか)
作り手も読み手も、連想される共通イメージを楽しむ。
そういう風に考えると、歌枕も身近なものに感じる…かもしれない。

『山水略画式』の全文はこちらで読めます!
https://kokusho.nijl.ac.jp/biblio/200007688
※鍬形蕙斎『山水略画式』一巻一冊、木版多色摺、寛政12年(1800)刊、国文学研究資料館蔵、国書データベースより、2025年5月25日現在
※『山水略画式』の模写は、国立国会図書館本を元に行い、諸本を元に色付けしました。
【用語出典】
・「歌枕」(精選版 日本国語大辞典)
・「井出の玉川」(精選版 日本国語大辞典)
※ウェブページの閲覧日は2025年5月24日

