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日本の絵画でもしばしば描かれる中国の仙人たち。
その中には、鯉に乗るエピソードが伝わっている人物が二人います。
それが、子英(しえい)と琴高(きんこう)です。
まず子英。
中国の舒郷に住む子英は、ある時見事な赤い鯉を捕まえます。
子英は鯉を持ち帰って、米粒をあげて大切に育てたところ、鯉は一年で一丈ほどの大きさになり、角や翼がはえて、空が飛べるような姿になりました。
子英は、これは奇妙なことだと鯉を拝みます。すると、鯉は「あなたを迎えにきました。一緒に天に昇りましょう。」といいます。
妻子ある身の子英でしたが、鯉の言うことにしたがい、鯉の背中に乗って天に登ります。
以降は一年ごとに天から自分の家に帰り、妻子に会ってまた天に帰っていくのを繰り返し、これが7年続いたとか…
???
お次に琴高。
中国の趙に暮らす琴高は、琴の名人として知られています。
ある日琴高は、「龍の子どもを捕まえてくる」といい、約束の日を指定して川に入ってしまいます。そして約束の日、琴高は鯉に乗って水中から現れたとされています。
※ここでも鯉は赤い鯉とされていますが、日本の絵画の中では、赤くなく通常の黒い鯉の姿で描かれることが多いです。
仙人の逸話の中で、鯉はお空の上に、海の中に、色んなところへ連れて行ってくれます。
登龍門(とうりゅうもん)のエピソードから、鯉に龍のイメージが重ねられているのでしょうか…
人が一人乗れるサイズの鯉が空を飛ぶ…ちょっと怖いかも?
登龍門のお話はコチラ↓