文字を使って、あらゆる物の形を表現する「文字絵(もじえ)」
その歴史は古く、平安時代にさかのぼります。
手紙の装飾として、絵の中に文字を含みこむ「蘆手(あしで)」、
お経の文字をつなげて、あるいは文字の形から思い起こして塔や尊像などを描くなど宗教的な意味合いをもつもの、
これらの歴史を経た江戸時代では、文字絵そのものを娯楽として楽しむ気風が強まります。
イラストで紹介した三点も、江戸時代に存在していた文字絵たち。
これら意外にも、さまざまな文字絵が楽しまれていたことが、以下の資料からもうかがえます。
国立国会図書館デジタルコレクションより『新文字ゑつくし 新板』2024.4.15現在
https://dl.ndl.go.jp/pid/1189869
ちなみに、「へのへのもへいじ」は、歌川広重『新法狂字図句画』という本にて確認できます。
広重の絵の「へのへのもへいじ」は、武士のような見た目で描かれていて、いかにも「茂平次(あるいは茂兵衛次?)」っぽいなと…なんだかシュールで、思わずクスッとしてしまいます。